建築実例

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Works

Case.5 気品と風格の一棟

I様邸

現代人の感性と生活感に寄り添う、和魂洋才ならぬ「昔魂今才」の家。

M様邸

直線基調のフォルム、ムダな装飾を排した簡素で優美な佇まい・・・

伝統的な和風建築のスタイルながらどこかモダンな印象さえある数奇屋風の一棟。しかしM様邸はその外観だけでなく、 間取りをはじめとするプランニング全体にも現代的な要素が上手に取り入れられています。

たとえば各所の段差をなくし、車椅子でも不自由なく行き来できる広い廊下を採用したいわゆるバリアフリー設計は老後を安心して暮らすために今や不可欠な仕様。 また奥様がご希望された対面式キッチンは、家族のコミュニケーションを大切にする現代人から広く支持されているスタイルのひとつです。

さらに収納の充実ぶりも見逃せないポイント。居室には極力余計なものを置かないことで空間をゆったり使えるだけでなく、 地震の際の家具転倒を防止し、安全確保を図るという発想もまた今日的。

興味深いのは、日本家屋ながらあえて1階和室を“続き間”としなかった点です。「最近ではこの地域でも神事は家で、宴会は外でというのが定着していますので、 もう一室は割り切りました」と奥様。いわば地域の人との付き合いや風習の変化に合わせた柔軟な選択と言えます。反対に、日本人が重視してきたご近所付き合いをうまく継承するアイデアも。 それが玄関に設けられた畳ベンチ。かつて土間がそうだったように、このさりげない工夫が近隣の方との気兼ねない会話を育んでくれます。

内観